越中ハンザ都市『鐵路〜新幹線〜』



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  <今後検討したい事項>
 
○高山線の高速化構想『新線・短絡線整備』案
 →富山駅ー猪谷駅間に短絡線を整備
 →地域高規格道路を活用した高速新線を整備
 →全線区間で160〜180キロ運転を実現

 →中部国際空港まで延伸乗り入れを目指す
 

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 < 高山線のスーパー特急新線『地域高規格道路を活用した新線・短絡線整備』> 
 
 北陸新幹線開業によって、富山県では大阪や名古屋に行く場合、金沢駅での乗換が必要となった。特に名古屋へは、最速で行く場合、米原駅で東海道新幹線に再度乗り換えないといけない状況だ。富山県にとっては、東京・大阪だけではなく、名古屋に行くのも便利な場所でありたい。その為には、高山線の高速化は不可欠だ。現状、特急ワイドビューひだの所要時間は、名古屋ー富山間で最速でも3時間50分程も掛かり、高速バスよりも10分以上も所要時間が掛かっている。その原因は、富山ー高山間の最高速度が85キロで、高山ー岐阜間でも最高速度が110キロと低速な点にある。しかも、山岳ルートでカーブが多く、実際の表定速度平均が50〜67キロに留まっている為だ。
 JR東海では、『ワイドビューひだ』の後継車両として、ハイブリットの新型車両が順次投入される予定だが、最高速度はこれまで通り120キロに留まる。また、120キロで走行できるのは、名古屋駅ー岐阜駅間の東海道線区間のみ。高山線区間は、前出の速度のままで時間短縮は行われない。もし、国内の在来線で最速の表定速度104キロを誇る『特急サンダーバード』並を、高山線でも確保できれば、富山ー名古屋(256.1キロ)間は、最速2時間28分で結ぶ事も可能だ。
 国内の在来線(狭軌鉄道)で、最高速度160キロで運行されているのは、北越急行の「ほくほく線」と京成電鉄の「本線(成田線)」がある。いずれも、踏切のない連続高架化された路線だ。JR北海道では、かつて在来線の非高架化で非電化の路線に、最高速度140キロの車両を走らせようと新型車両開発を行ったことがある。しかし、旧車両での脱線事故や火災事故などが度重なり、新型車両導入が見送られた。現在は、北海道新幹線の札幌開業後を睨み、札幌-旭川間の在来線を強化しようと検討が進められている。既存の最高速度130キロから160キロにスピードアップを図るという。高山線の活性化でも、160キロにスピードアップを図りたいものだ。
 
 しかし、現状の高山線では、更なる高速車両を投入しても高速化には限界がある。また、高山線は岐阜駅に大きく迂回するルートとなっており、岐阜駅では列車の方向転換も必要となる。その為、所要時間短縮のネックとなっており、座席の方向転換はお客様の負担にもなり問題が多い。そこで、高山線を大胆に大規模改造を行い、全線で時速160キロ〜180キロの高速運転ができるようにしたい。それが、『地域高規格道路を活用した新線・短絡線整備』案になる。
 
 富山市から名古屋市には、幹線道路の国道41号線が走っている。この41号線ルートを強化させる4つの『地域高規格道路』構想がある。『富山高山連絡道路』・『高山下呂連絡道路』・『美濃加茂下呂連絡道路』・『名濃道路』により、富山市から愛知県小牧JCT間を、準自動車道路として整備が計画されている。この4つの『地域高規格道路』を整備する際に、中央分離帯を拡張して、そこに高山線のスーパー特急専用線(単線)を設けるということを提案したい。高速鉄道と道路の共用区間としては、北陸新幹線の福井県九頭竜川橋梁で、一般道路に併用されたケースがある。既に『富山高山連絡道路』では、中部縦貫自動車道高山ICー飛騨国府間(約6キロ)が完成、富山市大沢野栗山ー猪谷間(約18.6キロ)と高山市千鳥町ー久々野町間(約9キロ)で建設が進んでいる。しかし、他の区間は、ほとんど計画や候補路線の段階にあり、詳細計画が決まっていない。そこで、これからの整備区間を対象に、『地域高規格道路』として建設する際、2車線で整備する区間は、中央分離帯を拡張して、そこに鉄道を敷設できるように設計を行う。また、4車線で整備される区間は、片側2車線のどちらかに、鉄道を敷設できるよう道路幅を拡張した設計を行う。これらの区間では、最高速度160キロ〜180キロを実現させたい。小牧JTCー名古屋間は、スーパー特急専用の新線を建設する。この整備費は、およそ2千億円が想定される。実現させるには、整備新幹線と同じ手法を検討したい。整備と施設保有は、独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構が行い、運営をJR東海が行うという『上下分離方式』で整備を図りたい。
 『地域高規格道路』を活用できない区間、富山駅ー猪谷駅間、飛騨国府駅ー高山駅ー飛騨久々野駅間は、在来線を電化させて対応させる。この内、越中八尾駅ー猪谷駅は、3箇所で短絡線の整備と無踏切化に路盤強化を行い、最高速度160キロ化を実現させる。富山駅ー越中八尾駅間は、路盤強化で最高速度120キロ化を図る。飛騨国府駅ー高山駅ー飛騨久々野駅間は、2箇所で短絡線の整備と路盤強化を図り、最高速度120キロを実現させる。また、岐阜駅ー美濃太田駅間も電化を図り、美濃太田駅でスーパー特急新線に接続させることて、岐阜市から飛騨・富山へのアクセスも改善させたい。
 
 この高山線『スーパー特急新線』の実現で、富山駅ー名古屋駅(岐阜駅)間は、最速1時間58分で結ぶ事ができるだろう。富山県をハブに、三大都市圏と高速鉄道ネットワークが出来上がれば、経済的な優位性は図り知れない効果がもたせられる。
 
< 「スーパー特急ひだ」の中部国際空港乗り入れ>
 
 また、スーパー特急ひだを、名古屋駅から中部国際空港まで延伸運行を目指したい。名古屋駅ー熱田駅までは東海道本線、熱田駅付近で名鉄常滑線に相互乗り入れを行い、中部国際空港(セントレア)駅を結ぶ。中部国際空港を起点に、岐阜県・富山県・石川県能登までのルートを「昇竜道」と称した観光ルート化が進んでいる。中部国際空港にスーパー特急ひだが乗り入れる事ができれば、岐阜県の魅力的な観光地に直接向かう事ができ、極めて魅力的な交通手段となるだろう。また、富山県にとっても、富山駅から中部国際空港駅までが、最短2時間28分で結ぶ事も可能となり、国際線の選択肢が増える意義は大きい。
 

 
<今後検討したい事項>

○北陸新幹線の前倒し開業をさせる
 →2030年の新大阪開業を目指す
 
 
 

 
< 富山ー東京間『1時間59分化』 >

 北陸新幹線は、東京ー富山間の営業距離が在来線の実距離と同じ391.9キロとなっている。しかし、北陸新幹線の本当の実距離は395.5キロだ。本来なら、新幹線のような高速鉄道は、最短距離を結ぶ事でスピードアップさせるのが当たり前なのだが、北陸新幹線は各自治体や旧国鉄の要望などで、ありえないほどの蛇行ルートとなった為、在来線の実距離よりも新幹線の実距離が長いという欠陥新幹線といえる。その為、富山ー東京間は最速でも、2時間8分に留まっている。これはまた、金沢ー東京間が2時間30分を切る事を優先された結果でもある。富山県としては、この8分の壁に挑む必要がある。
 この実現の為には、北陸新幹線の表定速度をアップさせる必要がある。現状、北陸新幹線は最高速度が260キロとされているが、先に開業された東北新幹線の最高速度320キロや山陽新幹線の最高速度300キロに大きく水を開けられている。表定速度でも、北陸新幹線のかがやきで184キロに留まっている。最速のぞみの224キロとは、40キロもの差がある。表定速度で、北陸新幹線が200キロに上がれば、東京ー富山間は2時間を切る事ができる。東京の滞在期間は最大14時間となり、東京22時発の富山23時59分の最終便も実現できる。新高岡駅の『かがやき』停車問題もあり、富山県にとっては非常に重要な意味を持つだろう。
 例えば、北陸新幹線で最高速度が240キロに抑えられている大宮ー高崎間を、E7系車両の最高速度275キロまで引き上げるのも検討課題だろう。また、速達タイプの『かがやき』は、基本的には上野駅・大宮駅を通過させたい。更に、軽井沢駅では100キロ以下まで減速して通過している。駅の手前で急カーブがある為だが、軽井沢駅にホームドアがない事も減速させる要因となっており、ホームドアの設置で、減速スピードをある程度引き上げる事も可能となる。長野駅もホームドアが設置されていない為、現状は高速で侵入する事ができない。また、乗務員の交代時間も掛かっており、長野駅での停車時間の短縮も検討すべきだろう。これらの取り組みで、東京から富山へは最速1時間59分化が可能となる。


<東京ー大宮間の160キロ化>

 北陸新幹線のボトルネックとなっているのが、東京ー大宮間の約30キロ。この区間は、建設時の地元反対運動で、最高速度が110キロに抑えられてきた。新幹線でありながら、在来線特急よりも低速での運行が、いまでも続いている。しかし、新幹線技術の進歩により、高速走行でも騒音が抑えられてきているため、ある程度のスピード緩和が可能になってきている。そこで、地元住民との交渉とはなるが、東京ー大宮間を、在来線特急の最高速度となっている160キロまで緩和を目指したい。これにより、更に所要時間は4〜5分程度の短縮が可能となり、東京ー富山間は最速1時間54分となる。


<高崎ー金沢間の最高速度275キロ化>

 また、整備新幹線法の関係で、現状の高崎ー金沢間は最高速度が260キロに制限されている。この法律の規定を改訂して、260キロ以上での走行を目指したい。線路を保有する新幹線鉄道保有機構とJR2社の調整は必要だが、福井開業時を目標として、高崎ー金沢間もE7系車両の最高速度275キロまで高める必要がある。これにより、かがやきの表定速度が220キロ程度に上がれば、東京ー富山間は最速1時間40分化、東京ー金沢間は最速1時間58分化も可能となる特に福井ー東京間は、現在の計画で時間短縮効果が約30分しかないが、これら最高速度の見直しなどにより、時間短縮効果は約50分に向上させる事ができる。
 

 
 
  <今後検討したい事項>

○敦賀以西ルートは、2030年度に開業させる
○時速400キロ超での営業運転を実現させる
 →碓氷峠でも、時速270キロ超の営業運転を目指す
 →富山-東京間は約1時間18分(現在は2時間8分)
 →富山-大阪間は約59分
(現構想は240キロで1時間20分)

< 2030年の北陸新幹線大阪開業を! >

 北陸新幹線は、東京と北陸を結ぶ新幹線ではない。東京ー北陸ー大阪を結ぶ新幹線構想だ。1964年に、初めて提唱された北陸新幹線構想では、東京ー新宿ー甲府ー松本ー富山ー大阪を最短550キロで結ぶという超特急構想に相応しいものだった。しかし、その後は長野市経由や、当初計画にはなかった新潟県を通る上越市経由と、だんだん蛇行新幹線となる。蛇行ルートとなったのは、北アルプスを横断するトンネルルートは経験がなく難工事が予想され、蛇行ルートの方が安上がるという理由だった。しかし、これから建設が始まる中央リニア新幹線では、トンネル実績のない南アルプスを横断するトンネルルートの方が、迂回ルートよりも安価で建設でき、最短で結ぶ時間的メリットが高いとして、直線ルートを採用するという。何とも皮肉な話である。だが、北陸新幹線が蛇行ルートとなっても、やはり東京ー北陸を結ぶだけではなく、北陸ー大阪をも結ぶ新幹線である事に重要度がある。
 これまでの地方活性化策は、その多くが東京との結びつきを重視してきた。しかし、その結果として、地方はどこも同じ金太郎飴のような街づくりとなってしまった。北陸新幹線は、東京と北陸を繋ぐだけでは威力を発揮しない。それでは、他のエリアと変わらない発展しか望めないだろう。大阪まで繋がった時に、はじめて北陸新幹線の威力が発揮されるのである。

 北陸新幹線の大阪開業時期は、中央リニア開業や北海道新幹線全線開業の前までに実現させないといけないだろう。2030年度の開業を目標にしたい。確実に建設を行うために、建設国債を充てることも検討すべきと考える。北陸新幹線の金沢開業以降、北陸新幹線の収支が、他の整備新幹線や先行整備された東北・上越新幹線に比べても、格段に高い事が証明されている。建設国債を投入しても、十分に回収が可能だ。
 
< 京都駅ルートから亀岡ルートに変更へ>
 
 北陸新幹線の大阪開業時期を遅らせているのは、京都での北陸新幹線建設に対する反対運動がある。京都駅は、高深度地下駅として整備されるが、地下水への影響を心配することが主要因にある。北陸新幹線の整備は、もともと法律で京都府亀岡市を経由することが明記されていた。本来であれば、福井県小浜市-京都府亀岡市-新大阪駅がルートだ。京都府や京都市の意向もあって京都駅経由に変更となったが、環境アセスメントも行えない状況にあり、建設に入れない状況は極めて遺憾だ。そこで、本来の亀岡市ルートに変更することも検討する時期に来ているのではないだろうか

 

< 世界最高速度400キロ化>

 2030年度の大阪開業を目標に、新型車両の投入と路盤強化を目指したい。現在の国内最高速度は320キロだが、欧州では最高速度400キロの高速車両開発が行われているほか、中国の新幹線でも最高速度380キロを目指している。JR東日本では、2030年の札幌開業を目標に、最高速度400キロの車両開発が始まっている。北陸新幹線でも線路の路盤・ポイントや架線の強化を図り、『最高速度400キロ走行』が可能な新型車両の開発が必要だ。また、運行ダイヤも見直したい。速達タイプは、更に停車駅を絞り込み、上野駅・大宮駅のほかに長野駅も通過させたい。その実現の為に、JRの乗務員交代駅を現行の長野駅から富山駅に変更する。また、上野駅・大宮駅・長野駅にもホームドアを設置して高速通過を可能としたい。これらの実現によって、北陸新幹線の表定速度を300キロまでアップできれば、富山ー東京間の所要時間は1時間23分化、東京ー金沢間が1時間39分化、東京ー大阪間は2時間29分化が可能となる。
 


↑ 北陸新幹線のライバル『中央リニア新幹線』 
↑ 東北新幹線の『はやて』 
 <今後検討したい事項>

 ○JR東日本・JR西日本の出資による『JR中日本(北陸)』の創設
  →地元自治体や企業も出資して、平行在来線の一部も組み入れる
 ○大宮ー新宿ルート構想を2037年頃に開通させる
  →将来的には、新宿から渋谷ー品川ー羽田空港間まで延伸させる
  →整備新幹線の次期優先路線に組み入れる

 ○『羽越新幹線』の実現
  →糸魚川ー長岡間の在来線に、ミニ新幹線を導入
  →在来線区間の160キロ運転化を目指す

↑ かがやきE7系 ↑ ワインレッドの車体が美しい、フランスのタリス

<大宮ー新宿ー羽田空港間の新ルート建設 >

 北陸・上越新幹線用の大宮ー新宿ー品川ー羽田空港ルートを実現させたい。大宮ー東京間は、東北・秋田・山形・上越・北陸・北海道の6路線が共用しており、4分間隔の過密ダイヤとなっている。運行本数は限界に近い状態だ。そこで、大宮ー新宿間の宇都宮・新宿湘南ラインに、フリーゲージ新幹線を走らせる。フリーゲージ新幹線は、最高速度が275キロしか出ないが、北関東を結ぶ『なすの』・『たにがわ』、新潟を結ぶ『とき』、北陸・長野を結ぶ『あさま』・『はくたか』に導入する。大宮ー新宿間の宇都宮・新宿湘南ラインは、最高速度が120キロで、新幹線の大宮ー東京間よりも現状はスピードは早い。また、この区間の在来線も停車駅数が少ない為、フリーゲージ新幹線が乗り入れやすいと考える。
 また、中央リニア新幹線大阪開業が予想される2037年度を目標に、大深度地下トンネルの新線を建設する事で、最高速度400キロの実現も目指したい。この大深度地下トンネル新線の実現で、富山−新宿間は最短1時間18分化、東京ー金沢間が1時間34分化、東京ー福井間が1時間54分化が可能となる。また、新宿ー大阪間は2時間24分化が可能となり、東海道新幹線と十分に競合できるようになる。

<『羽越新幹線』の実現を!>

 北陸新幹線の開通後、富山県から新潟市への特急『北越』の廃止で不便な状況となる。隣県の県庁所在地に行くのに、乗換を2度も行わないとイケナイのは大きな問題だろう。新潟県では、上越妙高駅ー長岡駅間のミニ新幹線化やフリーゲージ新幹線車両の導入が検討されているが、具体的な進展がない。長岡駅には、既に羽越新幹線用のホームが先行して整備されている。上越妙高駅ー長岡駅間は、距離的には100キロ未満と短い。また、運行本数も限られることから
、フル規格の新幹線でも単線で整備できれば、建設費も抑えられる。これから整備を求めている山陰新幹線や奥羽新幹線でも、単線新幹線での整備が議論されているが、羽越新幹線をモデルケースとして整備する事も想定したい。実現すれが、富山駅ー新潟駅間の所要時間は1時間40分程度となる。『羽越新幹線』は、もともと全国新幹線整備計画で富山駅を起点に青森駅までの約560キロに及ぶ路線計画。新潟駅でも、在来線の立体高架化に伴い、新幹線の同一ホームによる羽越線の特急乗換ができるよう大改造が進んでいる。これは、羽越線でもミニ新幹線やフリーゲージ新幹線の導入を想定したものであり、富山駅発で新潟駅や山形庄内・秋田方面への新幹線『白鳥』を走らせられる可能性が高まっている。富山県にとっても、『羽越新幹線』を富山駅が起点だという事をアピールできれば、知名度や地位向上に繋げられる取り組みとなるだろう。事業費は約500億円で、工期はおよそ5年と推定される。
  
 < JR中日本(北陸)の創設を目指す >

 北陸新幹線は、上越駅を境にJR東日本とJR西日本にわかれた別経営の新幹線となる。整備新幹線の中で、2社に跨がって経営されるのは北陸新幹線だけだ。2社による運行により、ダイヤ編成にも大きな制約がある。特に、長野駅での乗務員交代で、柔軟なダイヤ編成ができない状態だ。また、2社運行により、他の新幹線に比べると、運賃でも大きな格差が生じている。北陸にとっては、地元も投資した地域密着の新幹線でもあり、北陸新幹線の為のJRが必要だろう。将来、北陸新幹線が全線開通する際には、JR東日本・JR西日本、それに地元資本も加わって新しい『JR中日本(北陸)』の2030年創設を目指したい。JR中日本(北陸)は、北陸新幹線・上越新幹線と富山県・石川県・福井県・新潟県・長野県の在来線支線を管轄させる。このJR中日本(北陸)の本社を、富山駅周辺に誘致を図 りたい。
 

  

 
<『北国新幹線(松本経由)』の構想化>

 北陸新幹線は、長野県と新潟県を大きく蛇行した欠陥新幹線。一方で、JR東海では中央リニア新幹線が建設を進めている。そこで、北陸新幹線の蛇行しているルートに短絡ルートを新設する事も、将来的には検討したい。それが、北陸新幹線の佐久平駅から松本駅ー大町駅ー(立山直下)ー富山駅を結ぶ短絡ルートだ。これを『北国新幹線』と名付けたい。このルートが実現すれば、現行の長野駅ルートに比べると、運行距離が80〜90キロ程度の短縮される。また、現在は長野駅でJR東日本とJR西日本の乗務員交代を行なっているが、松本経由が実現されると、富山駅での乗務員交代となる。そのため、かがやき松本経由は、大宮ー富山間をノンストップで運行が可能となり、長野経由に比べると30分強の時間短縮が可能となる。現行の最高速度260キロ運行でも、東京ー富山間が最短1時間38分(98分)未満が見込まれ、100分を切る心理的な効果は極めて大きいだろう。
しかも、長野経由と松本経由の2系統できるのもメリットは大きい。長野市の車両基地浸水事故では、長期間の運行停止となり大きな痛手となったが、バイパスルートができれば、災害時のリスク回避も期待できる。更に、JR東海の中央リニア新幹線が開業すれば、中央本線東線を運営するJR東日本への影響も考えられる。新宿発の特急あずさが一部を北国新幹線に移行できれば、首都圏エリアの中央線に余裕ができるほか、大糸線の経営分離ができるなど、JR東日本にとってもメリットが大きいと言える。
 北国新幹線の営業速度を275キロまでアップできれば、富山ー東京間は約90分、営業速度を400キロまでアップすれば、約75分で結ばれる。
  
 <『北国リニア新幹線』の構想化>

 副首都を富山県に誘致することが前提となるが、中央リニア新幹線を活かした北国リニア新幹線構想も念頭に置いておきたい。東京(品川)と富山を最短に結ぶには、中央リニア新幹線の山梨駅から諏訪経由で、松本ー大町ー富山に繋げるルートが魅力的だろう。実現すれば、品川ー富山間は、約45分で結ばれる。このルートで大きな課題となるのが、運営主体がどこになるのかだ。現状の東京ー松本間はJR中央東線になるが、この運営はJR東日本。北国リニア新幹線が、このJR中央東線ルートに沿って整備されれば、当然JR東日本が担うことになる。しかし、中央リニア新幹線の運営はJR東海が担っており、品川ー山梨間をJR東日本と共有するのは、かなりハードルが高くなる。
 そこで検討したいのが、諏訪ルートとは別に、伊那ルートでの北国リニア新幹線案だ。中央リニア新幹線の飯田駅周辺から、JR東海が運営するJR飯田線に沿って松本へ抜けるルート案。このルート案であれば、JR東日本の在来線とルートが重なるのは、岡谷ー松本ー大町間となる。松本ー大町間の大糸線をJR東日本から経営分離できれば、JR東日本にとってもメリットがある。北国リニア新幹線(飯田ー富山)を、JR東海が運営できれば、北陸新幹線を運営するJR東日本・JR西日本とは別運営となり、実現性が高まるといえる。さらに、名古屋ー松本ー富山ルートでの運行も可能となることから、北国リニア新幹線の費用対効果もプラスになると考える。
  


<整備新幹線の次期優先5線を!>

 現在の整備新幹線は、優先5線(北陸・東北盛岡-青森・北海道・九州鹿児島ルート・九州長崎ルート)として建設されている。これらの整備が2030年頃に完成すると、次期優先整備路線の議論が出てくると予想される。想定される路線は、奥羽・四国縦貫・山陰の新幹線。そこに、北国・羽越の新幹線を加えた、新優先5線とすることを目指す必要があるだろう。